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各地区地区の建物と特徴:九州
九州地区の建物と特徴
九州地区の大型建物の平面図を示します。
九州地区の建物
池上曾根遺跡整備委員会「弥生のまつりと大型建物 資料集」を基に拡充

九州地区の時期別建物図から読み取れること

@弥生時代早期の農村集落と言われている福岡県の江辻遺跡に、大型建物の原型が見られます。
 竪穴住居群の中に細長い梁間一間の高床倉庫数棟が並び(方向はまちまち)、中央に大きな平地式
 建物が1棟あります。巨大な拠点集落とは異なる、牧歌的な農村集落のひな型と言えます。
A弥生中期〜後期に北九州に特徴的な超大型建物があちらこちらの拠点集落で建てられます。
 中期は多柱の平地式建物が多く、後期には総柱の建物が多くなります。
B1つの遺跡に超大型の建物が何棟も建てられるのではなく、1棟だけでシンボル的な意味合いの
 建物のようです。
C吉武高木遺跡や湯比本村遺跡の超大型建物は墓前建屋で何回も建替えられており、祖霊祭祀が目的で
 した。これらの遺跡では、他にも大型建物が複数棟建てられており大拠点集落でした。
D吉野ケ里遺跡の建物は、環濠に囲まれた内部に主祭殿となる総柱の大型建物や物見やぐらの小型の
 掘立柱建物が立ち並び、王の居所と考えられています。
E一方で、独立棟持柱建物は小型で数も少なく弥生中期に限られます。所在地は南九州に4遺跡と
 北九州に3遺跡あります。
 このことは、青銅器祭祀との相似性があって興味深いです。
 南九州は北九州の青銅器祭祀を取り入れず大型建物も真似をせず、独自の文化を作り上げていました。
 北九州でも独立棟持柱建物を導入している遺跡が、大型建物を築いている遺跡群の只中にあります。
 青銅器武器型の祭祀を行っている本拠地で銅鐸祭祀を行っていた集落があったのとよく似ています。
Fもう一つ特徴的なことは、梁間一間の大型建物が中期〜後期にわたって見られることです。

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