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用語の定義
建物の大きさの区分
弥生時代の建物で注目されるのは大型掘立柱建物、さらに大きな超大型掘立柱建物ですが、どの程度の広さで区分しているのでしょうか。
建物の大きさに地域性があるようで、考古学研究者の研究対象地域によって区分される数値が違っています。

各地の大きさの区分

考古学の研究者が、対象とする地域の実情に応じて、大きさの区分をしています。

・宮本長二郎さん(日本建築史、考古建築学)  全国の建物を対象としている方
  大型:40u以上   超大型:100u以上
・武末純一さん(福岡大学)
  大型:35u以上   超大型:100u以上
・七田忠昭さん(佐賀県教育委員会) 
  佐賀平野では  大型:30〜40u以上  倉庫群で30uなどの規模のものはない
・濱田竜彦さん(鳥取県教育委員会)
  伯耆地方では  大型:20u以上  中型:10〜20u
・鈴木敏則さん(浜松市博物館)
  静岡では ほとんどの掘立柱建物は 25u以下 大平遺跡の45〜55uはずぬけて大きい
・大久保徹也さん(徳島文理大学)
  四国・山陽では 大型:30u以上  ほとんどが20u以下  大きくても25u
・伴野幸一さん(守山市教育委員会)
  近江では  大型:40u以上
地方によって出土する建物の規模に違いがあり、大型の定義にも現れています。

このホームページでの区分

このホームページでは、近江の建物を全国の建物と比べているので
    大型:40u以上    超大型:100u  として扱います。
前項の建屋面積の統計データ見ると40u以上の建物はとても少ないということになります。
各地の考古学者の見方では、35u以上は「大型」としてもよさそうですが、40uにしておきます。
用語としての「大型建物」とは
考古学の資料や検討会で「大型建物」について述べられるとき、二通りの意味合いがあります。
・ケース1:面積の大きい建物
   建物の使用目的は論じない、竪穴住居も対象とする
・ケース2:特別な目的に使用される大きめの建物
   祭祀や集落共用施設、特別な利用目的の掘立柱建物が対象
      竪穴住居は除外、掘立柱建物でも一般の倉庫は除外
   大型以下でも建物の構造が変わっていて、祭祀や特別な利用が想定される建物は対象
      独立棟持柱建物、総柱建物、庇や回廊付きの建物
   竪穴建物でも祭祀用や共通の集会所などもあるが、対象とならないことが多い

このホームページでは、
  ケース2の建物[特別な目的に使用される大きめの建物]を対象
として調査しまとめています。
基本的には40u以上が対象ですが、小さくても「独立棟持柱建物」や「近接棟持柱建物」、「庇付き建物」などもデータに入っています。

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