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弥生時代の建物の統計データ
建物の大きさ

【規模の表現】

建物の大きさを表すときに、2つの表現方法が使われます。
 ・面積規模:床面積の数値データ
 ・平面形式:柱構造(柱の間隔の数)を表す、梁行(間)×桁行(間)のデータ

【面積規模データ】

掘立柱建物の統計データが「日本原始古代の住居建築(宮本長二郎)1996」に記載されているので引用します。ちょっと古いデータなので、その後次々と発見された大型建物のデータが盛り込まれていませんが、建物の大きさの統計データとしては利用できます。
床面積の分布
掘立柱建物の単位面積別棟数 単位面積別棟数のグラフ
単位面積別棟数のグラフ
掘立柱建物の単位面積別棟数 (出典:日本原始古代の住居建築(宮本長二郎 1996)

弥生時代の掘立柱建物の大きさは、20u以下がほとんどで、30uを超えるものはグンと少なくなります。40uを超えるものは数えるほど。
その後、40u程度の掘立柱建物が結構見つかっているので留意を要します。
平面形式(柱構造)
掘立柱建物の柱構造を表す尺度に、柱の本数があります。
梁方向、桁方向に何本の柱を使っているか、実際には柱の本数ではなく「柱間隔がどれだけか」を使います。梁方向の柱間隔を「梁行n間」、桁方向の柱間隔を「桁行m間」と表します。
平面形状の分布
掘立柱建物の規模別・時期別の分布
掘立柱建物の規模別・時期別の分布 (出典:日本原始古代の住居建築(宮本長二郎 1996)

桁行2間×梁行2間以下の小さなサイズの掘立柱建物がとても多いのが分かります。また、梁行きが
1間の建物が大多数であることが分かります。
宮本長二郎さんによれば、梁行1間×桁行1〜3間の建物は高床式で、大多数は倉庫と考えられるが、
いくらかは住居用もあるだろう、とのことです。
前項の床面積のデータと合わせて考えると、倉庫として使われる掘立柱建物はかなり小さいということです。
一般に、竪穴住居と比べると、倉庫として使われる掘立柱建物は規模が小さいと言われています。 滋賀県服部遺跡の竪穴建物は、弥生中期で平均20u、弥生後期で平均40uの広さとなっています。

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